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歌詞とする作詞(歌詞先行)

今回は歌詞先行における作詞の方法を私なりにまとめて記載します。

作曲と作詞と言うと、作曲に比べて簡単そうなイメージがありますが、歌としての詞はメロディや全体の構成を決める上でとても重要になってきます。

また、ある程度は作曲家の技量に依存しますが、歌詞の構成も曲としての内容をちゃんと伝えられるかの鍵となってきます。

その様なことを踏まえて、作詞をするうえで大切なことを見ていきましょう。

①テーマを決める  その歌詞で何を伝えたいのかという部分を明確にしましょう。これがないと曲が良くても深みがない物になってしまいます。

 この様なテーマがはっきりしていた方が、作曲が別の場合も軸がぶれなくて良いものになります。

②全体の構成を考える  一般的なボップス系の楽曲では曲として盛り上がる部分、つまり、サビと呼ばれる部分に一番伝えたいフレーズが来るようにする。

 よくありがちな歌では一番二番が存在し、各3つのメロディのまとまりになっていることが多いです。その後にギターなどの見せ場としての間奏が繋がり、しんみりさせてから、盛り上げるというまとまりで言うと8つに分かれていることが多いです。

 少し変化をつけて、二番のサビをなくしたり、一番のAメロを増やしたりする曲も多いです。中には敢えて一番のAメロと二番のAメロを別のものにする演出もあったりします。

 子供向けの曲とか知育系の楽曲になってくると、すべてがサビというものもあります。

 物語系の歌詞にするなら、一番が起二番が承、間奏後のしんみりした部分(Cメロとか)が転、大サビで結と考えると分かりやすいです。

 また、近年の楽曲に多くあるサビ始まりはプロローグ、最後に入るAメロなどはエピローグみたいな考え方が分かりやすいでしょうか。

 もちろんのこと、小説とかと同じで、これが絶対という訳ではなく、一番二番の中に短編の物語を入れて、ラストで伏線回収とかでも十二分に面白いものになるでしょう。

 変則的な歌詞構成の例としては以下の通りです。

・カエルの歌:すべてがサビ扱い可能

・メランコリック(Junky様):一番から間奏、そのままラストへ

・春に一番近い街(40mP様):二番のサビがない

・かいしんのいちげき(天月様):サビ始まり

・カゲロウデイズ(じん様):ラストにAメロが入っている

③歌詞を考える。  例えば、以下のような構成にしたとします。

 1番(Aメロ1、Bメロ1、サビ1)、2番(Aメロ2、Bメロ2、サビ2)、ラスト(Cメロ、大サビ)

 とうすると、1番と2番の構成が同じです。

 もし、Aメロ1にて5文字4行にしたら、Aメロ2で4文字5行の言葉選びをしたり、極端に文字数の変動があったりすると、メロディにはならない歌詞となってしまいます。俳句や短歌の様に、同じ部分は文字数と行を自分で定めて、その中で言葉選びをしましょう。

 短歌などと同じく、「きょう」を一文字とみて、一・二文字のずれが生じるのは良いですが、なるべく一致させる努力をしましょう。

 また、英語の場合は音節でカウントするので、片仮名にした場合に字余りでも良いことがあります。この点に関しては英和辞典などで音節やアクセントを確認しておくことをお勧めします。

④文字数が合わない場合

 どんなにやりくりしても、文字数の帳尻が合わない場合は、短い方にコーラス(ah、Uh)や掛け声(yes、yeah)を取り入れたり、部分的に伸ばす部分を作るのも一つです。もし、この様な箇所を作るなら、作曲家に送るデータに記載しておきましょう。

⑤より良い歌詞にするには

 聞き心地をよくするならば、韻を踏ませるのがよいです。日本語の場合は厳密に韻で語るのは難しいですが、終わりを似た音で終わらせることで、聞いたときに心地よくなります。  また、言葉の切れ目やアクセントを意識して作ることで、歌詞がより良く伝わるようになります。

 例えば同じ「はし」でも「箸」なら、「は」にアクセントがあり、「橋」なら「し」の方にアクセントがあります。後者の場合に「は」の方が高い音や強いアクセントで歌っていると、「希望の箸? なんだそれ?」みたいなことになってしまいます。

 また作曲のことを考えるなら、1~4文字の塊+助詞の6文字位のまとまりが扱いやすいです。それ以上の塊は3~4文字程度に切っても違和感がない言葉選びをしてみましょう。

 作詞と言っても、結構注意するべき点が多いことを認識して頂けたら幸いです。

 もっと深い部分まで話を聞きたいとか、分かりにくい部分があるなどありましたら、気軽に質問をお願いします。

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